突然ですが、皆さんは市役所職員の年収がどれくらいか知っていますか。
「公務員(市役所職員)の給料は安定している」という声をよく聞きますが、実際のところどれくらいもらっているのでしょうか。気になりますよね。
そこで今回は、公務員の中でも市役所職員の年収について、紹介していきます。
現役の市役所職員や市役所職員になりたい方は、ぜひご覧ください。
目次
市役所の平均年収は約625万円。
市役所の平均年収は、下記のとおり。
市役所の平均年収:約625万円(平均年齢41.9歳)
これは、総務省がおこなった「平成30年4月1日地方公務員給与実態調査結果」をもとに推計した数字です。対象は、一般行政職の全学歴。
推計方法は下記のとおり。
(給料+扶養手当+地域手当)×16.5ヶ月+(その他手当)×12ヶ月
16.5ヶ月というのは、12ヶ月にボーナス4.5ヶ月分を加算した数字です。ボーナスの支給月数は、令和元年度の支給実績に合わせました。
令和2年2月28日時点で最新の統計資料を用いて推計したので、より現状に近い情報を提供できたかと。
上記の平均年収は、あくまでも平均なので、新人だと少なくなりますし、ベテランだと多くなります。
ぶっちゃけ20代と50代では年収が全然違うので、知らない方は結構ビックリすると思いますよ。
なお、平均年収の内訳は下記のとおり。
給料のほか、各種手当やボーナスが含まれています。
給料 | 31万6919円×12ヶ月分 |
---|---|
扶養手当 | 9867円×12ヶ月分 |
地域手当 | 1万3503円×12ヶ月分 |
その他手当 | 5万2803円×12ヶ月分 |
ボーナス | 153万1,300円 |
(その他手当:住居手当や時間外勤務手当、管理職手当、通勤手当など)
ご覧のとおり、市役所職員は手当が充実しています。
私は以前、ITベンチャーに転職活動したことがあるのですが、扶養手当や住居手当はゼロでした。ボーナスも4.5ヶ月分なんてありえなかったです。
なので、手当の面からも市役所は恵まれていると感じます。
他の公務団体と比較すると、町村役場に次いで少ない。
市役所の平均年収を他の公務団体と比較した結果は、下記のとおり。
公務団体名 | 平均年収 |
市役所 | 約625万円(平均年齢41.9歳) |
国家 | 約712万円(平均年齢43.4歳) |
全地方公共団体 | 約635万円(平均年齢42.2歳) |
都道府県 | 約652万円(平均年齢43.1歳) |
東京都 | 約705万円(平均年齢41.5歳) |
政令指定都市 | 約676万円(平均年齢41.8歳) |
町村役場 | 約563万円(平均年齢41.3歳) |
特別区 | 約683万円(平均年齢41.2歳) |
- 地方公共団体の年収は先ほどと同様、「平成30年4月1日地方公務員給与実態調査結果」をもとに推計しました。こちらも一般行政職限定です。
- 国家公務員の年収は、「平成31年国家公務員給与等実態調査の結果」をもとに推計しました。ただし、時間外勤務手当・管理職手当相当額は掲載されていないので、地方公務員全体の平均値39,494円を代入。職種は行政職俸給表(一)適用職に限定しました。
市役所の年収は、8団体のうち2番目に少ないです。
各団体の年収を多い順に並べると、下記になります。
国家>東京都>特別区>政令指定都市>都道府県>全地方公共団体>市役所>町村役場
他団体の平均年収が高い理由は、下記のとおりです。
【国家】:総合職(いわゆるキャリア組)の年収が含まれているから。
【東京都〜都道府県】:地域手当が高いから。
官公署が都市部にある団体は地域手当が多くもらえるので、その部分が年収の差につながっています。
地域手当は給料の3〜20%が追加で貰える手当なので、有ると無しじゃ大違いです。
なので、年収が高い公務員になりたいなら、地域手当の高い団体の就職するのが肝要です。
民間企業と比較すると、市役所の方が約121万多い。
市役所の平均年収を民間企業と比較した結果は、下記のとおり。
公務団体名 | 平均年収 |
市役所 | 約625万円(平均年齢41.9歳) |
民間企業 | 約441万円(平均年齢46.4歳) |
うち、正規雇用 | 約504万円 |
民間企業の平均年収は「平成30年分民間給与実態統計調査」の結果を引用。
市役所と民間企業と比較すると、市役所の方が約121万多いです。
市職員時代はよく、住民の方から「高給取りだ」と言われることが多かったですが、この数字を見ると納得してしまいます。
とはいえ、民間企業の平均年収は性差がとても大きいので、平均年収だけで比較するのは「少し安直かなぁ」と思ったりもします。
なお、市役所の平均年収は正職員のみを対象としたものなので、民間企業の年収を見るときも正規雇用者のものを見るようにしました。
市役所の平均年収は、年齢とともに上昇する。
年齢別の平均年収は、下記のとおり。
年齢 | 平均年収 |
18歳・19歳 | 約340万円 |
20〜23歳 | 約389万円 |
24〜27歳 | 約429万円 |
28〜31歳 | 約473万円 |
32〜35歳 | 約523万円 |
36〜39歳 | 約588万円 |
40〜43歳 | 約655万円 |
44〜47歳 | 約705万円 |
48〜51歳 | 約740万円 |
52〜55歳 | 約767万円 |
56〜59歳 | 約788万円 |
- 総務省がおこなった「平成30年4月1日地方公務員給与実態調査結果」をもとに推計。
市役所の平均年収は、年齢とともに上昇します。なんと、20代と50代の年収を比較すると、約2倍の格差があります。
「年収が低いなぁ・・・」と嘆く市職員が多いのはこれが理由ですね。
私も就職1年目は全然、貯金ができませんでした。
1人暮らしで定時帰りの部署に配属された新人は、私と同じような状況に直面すると思います。
とはいえ、歳を重ねるごとに年収は増えていくので、若い職員の方はコツコツ仕事続けるのがおすすめです。
平均年収は、市役所間でも最大247万の差がある。
市役所の中で年収が最も多い団体と少ない団体を比較したのが下記です。
順位 | 名称 | 平均年収 | 平均年齢 |
首位 | 浦安市(千葉県) | 765.3万円 | 43.5歳 |
最下位 | 平川市(青森県) | 518.3万円 | 43.5歳 |
なんと、同じ市役所どうしでも、年収に最大247万円の差が生じます。
理由は下記。
- 基本給に差がある。
- ボーナスの支給月数に差がある(浦安市は4.5ヶ月分、平川市は4.25ヶ月分)。
- 地域手当に差がある(浦安市は平均4.2万円、平川市は無し)。
- 残業手当に差がある(浦安市は約8.5万円、平川市は約1.45万円)。など
上記のとおり。
要は、【雇用条件が良い+激務】で年収が高くなるし、【雇用条件が悪い+暇】で年収が低くなるということです。
なので、必ずしも年収が高い団体に就職するのが良いとは言えません。自分の希望に合う団体をチョイスすることが肝要です(例えば、激務でも年収が高い方がいいなら、【雇用条件が良い+激務】な団体に就職するなど)。
平均年収ランキング・トップ10
市役所の中で、平均年収が高い10団体を紹介します。全て700万円オーバーです。
順位 | 名称 | 平均年収 | 平均年齢 |
1 | 浦安市(千葉県) | 765.3万円 | 43.5歳 |
2 | 厚木市(神奈川県) | 764.6万円 | 43.2歳 |
3 | 印西市(千葉県) | 757.0万円 | 43.7歳 |
4 | 豊田市(愛知県) | 753.8万円 | 41.5歳 |
5 | 武蔵野市(東京都) | 749.8万円 | 41.4歳 |
6 | 小平市(東京都) | 745.7万円 | 39.5歳 |
7 | 津市(三重県) | 740.0万円 | 41.9歳 |
8 | 藤沢市(神奈川県) | 739.5万円 | 40.9歳 |
9 | 三鷹市(東京都) | 735.4万円 | 42.1歳 |
10 | 四日市市(三重県) | 734.5万円 | 40.3歳 |
平均年収ランキング・トップ10
平均年収が低い10団体も紹介します。こちらは全て550万円を下回ります。
順位 | 名称 | 平均年収 | 平均年齢 |
1 | 平川市(青森県) | 518.3万円 | 43.5歳 |
2 | 室戸市(高知県) | 521.8万円 | 43.2歳 |
3 | 桜川市(茨城県) | 522.4万円 | 43.7歳 |
4 | 市貝町(栃木県) | 524.6万円 | 41.5歳 |
5 | 阿久根市(鹿児島県) | 525.1万円 | 41.4歳 |
6 | 黒石市(青森県) | 527.3万円 | 39.5歳 |
7 | あわら市(福井県) | 531.4万円 | 41.9歳 |
8 | 豊見城市(沖縄県) | 531.7万円 | 40.9歳 |
9 | 珠洲市(石川県) | 533.5万円 | 42.1歳 |
10 | 石垣市(沖縄県) | 536.4万円 | 40.3歳 |
市役所の年収まとめ
今回の内容を、下記にまとめます。
- 市役所の平均年収は、約625万円。
- 市役所の平均年収は、公務団体の中だと2番目に低い。
- 市役所の平均年収は、年齢とともに上昇する。
- 平均年収を民間企業と比較すると、市役所の方が約121万多い。
- 平均年収は、市役所間でも最大247万の差がある。